どの士業でもそうですが、いくら稼げるかは最大の関心事の一つ、ということで探ってみました。
開業されている場合
社会保険労務士として開業されている方達の公的な年収調査は実施されていないようなので具体的な数値を例示することはできませんが、おおよその年収範囲は400万~800万円程度と言われています。
勤務されている場合
こちらの方は厚生労働省が毎年実施している賃金構造統計基本調査の調査結果があり、職業別として社会保険労務士も調査対象になっていますのである程度の平均年収は把握できます。
下の表は2014年~2018年の社労士のデータです。
年度 | 企業規模計(10人以上) | |||||||
年齢 | 勤続年数 | 所定内実労働時間数 | 超過実労働時間数 | きまって支給する現金給与額 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 労働者数 | |
単位 | 歳 | 年 | 時間 | 時間 | 千円 | 千円 | 千円 | 十人 |
2014 | 38.9 | 18.9 | 167 | 3 | 380.1 | 368.0 | 523.8 | 20 |
2015 | 45.1 | 12.2 | 162 | 4 | 423.4 | 410.9 | 1625.5 | 39 |
2016 | 43.4 | 10.5 | 173 | 9 | 359.0 | 341.4 | 957.4 | 109 |
2017 | 44.9 | 8.5 | 167 | 13 | 352.4 | 303.0 | 1033.3 | 122 |
2018 | 50.8 | 13.7 | 176 | 1 | 359.5 | 357.6 | 683.4 | 36 |
平均 | 44.6 | 12.8 | 169 | 6 | 374.9 | 356.2 | 964.7 | 65 |
どうも項目の表現がピンときませんね。
簡単に言うと、
「きまって支給する現金給与額」とは残業代等込み、
「所定内給与額」とは残業代等を除いたもの、
ということらしいです。
調査結果には平均年収という項目はありませんので、こちらで算出しました。
計算式は、
年収=きまって支給する現金給与額(残業等が入っている給与額)×12+年間賞与その他特別給与額
です。
最終的に計算結果の千の位を四捨五入しています
毎年のサンプルの平均年齢やサンプル数にかなりブレがありますからあくまでも目安として捉えてください。
結果、
一番低い年度は2017年で約526万円、
高い年度は2015年で約671万。
5年間の平均では約546万円でした。
年収に特化したサイトでは670万円という高めの数字を掲載していますが、2015年度のデータを使用している為のようです。
実態はもう少し低い数字ということになります。
まとめ
難易度で上位の弁護士、公認会計士、税理士等と比較すると低い数字ですが、一般給与所得者の平均年収よりは高い数値です。
開業の場合、人を雇わず、顧問報酬がメインという前提であれば1,000万円程度が限度です。
その上のレベルを狙うのであれば、人を雇って事務所規模を拡大する、法人組織にしていくつかの事務所を運営する等のルートを目指す必要があるでしょう。